この夏、7月17日の「折居吉如ピアノリサイタル Vol.2」、そして8月16日の福岡ジルベスタープレ企画、「2台ピアノと合唱による真夏の第九」と、大きな二つの演奏を終えました。

一人で舞台を作るソロリサイタルと、多くの演奏者と一つの音楽を作る《第九》。まったく性格の異なる二つの舞台を経験した、密度の濃い夏となりました。

折居吉如ピアノリサイタル Vol.2

7月17日のリサイタルでは、最も好きな作曲家であるリストを中心に、ショパンとリストの舞曲、そしてリスト晩年の作品群を取り上げました。

自分が弾きたい作品を詰め込んだこともあり、かなりハードなプログラムとなりましたが、最後まで弾き切れたことには一つの達成感がありました。

本番には、練習では予想していなかったことが起こる難しさがあります。それも含めて舞台ならではの経験であり、同時に、以前より表現できるようになった部分にも気づくことができました。

終演した瞬間は「終わった」という安堵。それでも今振り返ると、まだ「もっとやれた」という思いも残っています。

前回はトランスクリプション作品とラフマニノフのピアノソナタを中心に、今回はショパンとリストの舞曲、そしてリスト晩年の作品を一つの軸にしました。

次回も「ソナタ」や「ロマン派の変容」など、一つのコンセプトを持ったリサイタルを作っていきたいと思っています。

2台ピアノと合唱によるベートーヴェン《第九》

8月16日には、2台ピアノと合唱によるベートーヴェン《交響曲第9番》を演奏しました。

2台のピアノがオーケストラの役割を担い、指揮者、4名のソリスト、そして合唱団が加わる大きな編成です。

今回、2台のピアノはオーケストラの音を担うだけでなく、指揮者とともに演奏全体のテンポや流れを支える役割も担いました。多くの声や音、会場から返ってくる響きを聴きながら、全体の呼吸を合わせていくことには、普段のソロとはまったく異なる難しさがありました。

また《第九》の前には、ラフマニノフ《ピアノ協奏曲第2番》も2台ピアノで演奏。《第九》と合わせ、真夏らしい熱量のあるプログラムとなりました。

課題はもちろんありますが、終演してまず感じたのは安堵と、みんなで一つのものを作り上げた楽しさでした。

一人で演奏することの多いピアニストにとって、これほど多くの演奏者と一緒に音楽を作る経験は、とても新鮮で貴重なものとなりました。

演奏することと、教えること

自分にとって、演奏することとピアノを教えることは切り離せません。

レッスンで生徒の隣に座り、「こういう音」と実際の演奏で示す。そのためにも、指導者自身が演奏を続け、自分の音や音楽を常にアップデートしていく必要があると考えています。

舞台で得た手応えも課題も、すべて次の演奏と日々のレッスンにつながっていきます。

この夏に得た経験を演奏と指導の双方に生かしながら、また次の舞台へ向かいたいと思います。

両公演に足を運んでくださった皆様、そして公演に携わってくださった皆様、ありがとうございました。